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行動力 / 妄想力

「川本」 まずは自己紹介をお願いします。

「松浦」私は新卒でカネボウ化粧品に入社し、数多くの化粧品ブランドに携わってきました。6年近く在籍したあと、OEMメーカーへ転職し、社会人になって約7年は、ずっと化粧品畑で仕事をしてきました。

「藤井」私も同じく新卒でカネボウ化粧品へ入社しました。入社後の2年間は三重県で営業職に携わり、その後、有名メイクアップブランドに配属され、店頭販売から開発まで経験しました。さまざまな思いから、他の業界を見てみたく、大手コンサルティングファームへ転身しました。いい意味でも刺激を受け、化粧品を使って世の中に貢献したいという思いから、2021年12月に松浦と会社を立ち上げました。




「川本」 化粧品というのがお二人の出会いのキーワードですが、男性のお二人が化粧品を選んだきっかけをお聞かせください。

「松浦」私は、大学入学時から働くならアパレルか化粧品という2分野に興味を持っていました。実際に就職活動でもこの2つを希望していたのですが、その理由も良い意味で移り変わりの早い業界だと思ったからです。さらにそこから化粧品を選んだのは、スキンケアに興味を持ったからでした。スキンケアって、使う人によってマイナスからプラスへ、プラスからよりプラスにできる商品であって、人を内面から変えられる部分が大きいことから化粧品、スキンケアを志望しました。

「藤井」私は、元々大学院での研究が化粧品の原材料だったというのが大きなきっかけの1つでした。細かく言えば自分のテーマではありませんでしたが、身近に化粧品があったことで、次第にこの分野への興味が増していき、結果として就職先としても大切な候補となりました。最後に決めた理由は、松浦とも重なりますが、化粧品って人に勇気を与える商材だと思っていて、その部分に魅了されて決意しました。




「川本」 なるほど。お二人とも化粧品への愛が伝わりますね。そんな中で、昨年12月に会社を設立されていますが、そのきっかけや経緯を教えていただけますでしょうか。

「松浦」実際振り返っても、これがきっかけ、というのは、ありませんでした。退職後もずっとコンタクトをとって、ご飯に行く仲だったのですが、会えば化粧品のこだわりを話し合うような間柄で、いつもどこかで自分たちのプロダクトが欲しいと思っていました。そして、僕が退職したあとだったと思うのですが、5月頃に一緒に話をしていたタイミングで、本格的な起業の話をしてからは、すぐに決まりました。




「川本」 即決だったんですか?

「藤井」気づけばそうですね。何となく元々やりたいね、って話が出ていたので、お互い確認し合うだけで、あとはタイミングだけ、っていうような雰囲気でした。元々一緒に仕事をしてきましたし、仕事の仕方や、この分野への熱量も知っていたので、特に不安もなかったですし、松浦とならできると思って決意しました。




「川本」仲が良いだけでなく、互いの考えを理解し合っているあたりが素敵です。こうした出会いは貴重ですね。

「藤井」実は、振り返っても二人とも人との出会いには本当に恵まれてきました。こうして松浦と出会えたことも大きいですし、これからは自分たちが作る商品を通して、多くの人と出会えることがすごく楽しみです。




「川本」私も楽しみにしています。ところで、お話の中で、カネボウ時代には、中々できなかったこともあって…というお話もありましたが、具体的なお話をお伺いしてもよろしいでしょうか。

「藤井」大手だからできることがたくさんあるのは大前提にはなりますが、やはり一番は保守的な部分が大きいですね。化粧品というのは人の肌に触れるものですし、当然しっかりとした研究が必要になります。だからこそ洋服などのファッションなどと比べても、かなり後追いの形でさまざまな商品を発信していく傾向にあるのが現実です。決して悪いことではありませんが、本来は夢や希望を与える商品でありながらにして、誰かの背中を追いかける業界の姿に、少し寂しさを感じました。




「川本」確かにそうですね。人との距離が近い分、保守的になりがちなのは理解できる気がします。

「松浦」もう1つは、こうした商品には訴求できるポイントが決まっているからこそ、PRや販売方法の仕方が難しい点があります。店頭販売等では、それをテクニックで補うのも大事なことですが、個人的には、自分たちのような小規模だからこそ、お客様との距離感を近くしていくことで、ありのままの声を形にしてみたいです。




「川本」なるほど。これから作られる商品が楽しみです。でも、やはり購入の際、私たちが知っているブランドの力というのは大きいですか?

「松浦」それはそうだと思います。自分たちで作り始めて、正直より感じます。実はアットコスメさんなどのプラットフォームに登録されている商品ですが、30万点を超えていると言われています。それだけの商品を多くの人が使いこなせるわけでもなく、毎日朝晩使っても1000年くらいかかると思うんですよ(笑)そんな中から選ぶのに一番の情報は、やはり口コミかブランド力だと思います。それが安心材料に変わるとも思っています。




「川本」そんなにコスメ商品があることに驚きました。一生かかっても使いきれないですね(笑)おっしゃる通りですね。そんな中で、お二人は化粧品の中でも、どんな製品をお造りになるのでしょうか。

「松浦」私たちは、スキンケアから取り組んで行こうと思い、現在商品開発を行っています。化粧品は大きく分けるとスキンケアとメイクの2種類になるのですが、その1つであるスキンケアを中心に考えています。もっと言えば、その中でも特にメンズのスキンケアを開発中で、さらに細かく言うと洗顔と美容液を開発しています。




「川本」洗顔はすっと入ってくるのですが、美容液はすごいですね。何だか一気にハードルが高くなった気がします。

「松浦」その気持ちは分かります。ただ、あくまでも、保湿商品なんですよ。保湿は肌に必要な油分と水分を与えることを意味しているのですが、世間一般ではそれを化粧水と乳液で分けて考えられていて、美容液はプラスで栄養を補うイメージなのですが、それを1つにまとめたものを美容液として私たちは売り出したいと考えています。




「川本」そうなんですね。1つでまとめていただけるとメンズとしては、非常にありがたいですね。私も化粧水とかを使い始めたのもここ数年ですが、毎日朝晩手入れするのはしんどいこともあります。肌の手入れは、継続するのも大変ですよね。

「松浦」ものすごく分かります。私も元からメイクや美容に興味が合ったわけではなく、研究が入り口の人間なので、入社後販売店の業務に携わることになった時は、少し戸惑いがあったのも事実です。化粧水のようにケアする商品なら抵抗もありませんが、メイクのように自分の肌に色を塗ることは、最初は難しかったです。その経験の中で、継続してケアすることの大切さを学びました。ちょっとしたことですが、毎日欠かさずやることは結構面倒ですよね。だからこそ、オールインワンのように、これ1つあればというような商品を作りたいと考えています。




「川本」そういうことですね。個人的には、すごく魅力的です。今回のように言い回し1つで、すごく難しい商品ですね。PR事業に従事する側としても、非常に大きな学びになりました。

「藤井」実は冷静に考えれば、複数の商品を細かく作った方が良いのは事実なんですよ。例えば、美容液も1つにまとめるのではなく、まずは洗顔してその後には化粧水を塗って、さらに乳液や美容液で整えるとより良い肌になりますよ、っていう売り方をする方が、当然ですけど、1つの商品を売るより、4つの商品売った方が絶対に儲かるじゃないですか。そう考えると、必然的に商品点数も増えていって、結果的にものすごい数になるのも理解できる気がします。ただ選ぶものが多いということは、それだけ知識も必要になるので、そうなるとハードルも高くなると思っていて、だからこそ辞めてしまう。だったら1つのもので手軽に継続していただけるものを提供したいと思って、1つにまとめた商品を開発したいと思っています。




「川本」言われてみればそうですね。ただ、こうしてプロダクトの背景を聞くと、ものすごくお客様目線で作られているのが伝わりますね。それだけ、1人でも多くの人に、伝えたい思いがあるような気がします。

「松浦」まさにその通りで、私たちが化粧品に魅了されているのは、美容に惹かれているだけでなく、化粧品って面白い!っていうのところから始まっているんですよね。その面白さも伝えたいし、当然ですが、ケアして綺麗になることで、自分に自信が持てるようにもなると思っています。よく男性がコスメを買う時って、異性に薦められるケースや、あるいは、悩みから買うというデリケートな一面もあるので、そこを解消できるのは本当に大きな要素だと思っています。自分たちが作る商品で、誰かを勇気づけられるって、これほど嬉しいことはないですね。

「松浦」藤井と同じで、本当に化粧品って奥が深くて、それだけに選ぶのもすごく大変ということなんです。アイテムが増えれば増えるほど、何を選ぶかもすごく迷うので、お客様に寄り添って考えればこれが!という商品を提供できればいいと思っています。そして、少しでも勇気というか自信になって欲しいですね。
「川本」本当にお二人は、化粧品という商品に魅了されているんですね。そしてそれがすごく好きなんだなということが分かります。ますますお二人が作られる商品が楽しみですね。そんなお二人がお仕事をされる際に、大事にしていることも聞かせていただけますか。

「松浦」それは誠実性ですね。化粧品で言えば、肌に触れる商品だし、不信感を抱かれるようではいけないと思っています。成分もそうだし、売るためのことも考えなければいけないのもありますが、それ以上に、自分たちが誰よりも自信を持ってお勧めできる商品であることを優先しなきゃと思っています。そうすると必然的に、誠実でいなきゃと思いますね。

「藤井」僕の場合は、期待を超えるというのが、仕事をする上でテーマの1つとしています。今の仕事で言えば、お客様が求める期待も超えていきたいし、相方である松浦の期待も超えていきたいし、市場の期待も超えていきたいと思っています。人は1日1%成長することで、1年後には37倍にもなっているとの記事を、楽天の三木谷さんの書籍で読んだことがあり、1年後に想像もできないような期待を超える自分でいたいなと思っています。




「川本」誠実さと期待を超える、どちらも大事なことですね。今は始めたばかりで大変なことばかりだと思いますが、今年の目標なんかもお伺いできますでしょうか。

「松浦」僕たちは大手のようにPRやマーケティングに膨大な予算を割けません。そこで、SNSで発信を強化していこうと思い、現在TikTokを毎日投稿しています。直近ではそのフォロワーを4月までに1万人までに伸ばしたいと思っています。ぜひみなさん、フォローしてください。

「藤井」直近の目標とは違い少し先の話ですが、数年以内にインフルエンサーやベンチャー企業がやる化粧品のなかで、トップ3には入る認知度を獲得したいと思っています。私たちのブランドは、SOG(Scent of Gentleman)という名前でやっているのですが、数年後には多くの男性の方に、SOGって良いよね。あそこの商品良かったよ、って当たり前に認知されるようになりたいと思っているし、ならなきゃと思っています。ブランドの安心感で買う人が多い中で、本当に良いものを作れば理解してもらえるのでは?という壮大な仮説の検証でもあると思っています。




「川本」ぜひとも、この目標が達成されるように私も応援しています。まずは直近の目標であるファン獲得に向けて、お二人の思いが少しでも伝わることを願っていますし、完成する商品を楽しみにしたいと思います。

「藤井」決して遠い目標ではないと思っています。予定では春先には、みなさんに私たちの商品発表ができるのではないかと思って進めています。ぜひ、チェックしていただければ嬉しいです。




「川本」この春ですか!?このスピード感も、ベンチャーならではな気もしますね。ぜひワクワクしながら楽しみにしています。それでは、最後に皆さんへ聞いていることですが、お二人にとって人生で欠かせないもの(エッセンシャル)を教えていただけますでしょうか。

「松浦」行動力です。仕事もプライベートでも、行動しないと何も始まらないですし、後悔したくない気持ちが強いです。死ぬまでに、やりたいことをやっていきたいし、どうせ後悔するなら、やって後悔したいと思っています。思う存分に行動し、それでもダメなら、またチャレンジしたいです。

「藤井」私は妄想力って言葉を勝手に言っているのですが、どんなことも良い意味で妄想することを重要視しています。突発的な人との会話とか、何かしらのきっかけでビジネスモデルが思い浮かぶことも多く、そうした経験から妄想することは、人生において欠かせないと思っています。結果的に、妄想を突き詰めていくと行動にも繋がると思っています。そういう意味で言えば、松浦の行動力にも繋がる部分があると思っています。




「川本」行動に妄想。イメージを膨らまし突き進むこと。どちらも素敵なことですね。今日は最後まで素敵なお話を聞かせていただき、本当にありがとうございました。これからのご活躍、楽しみにしています。




SOG(Scent of Gentleman) (仮)
2022年発売予定のメンズ向けスキンケアブランド。
「大手では出来ない高原価率」をコンセプトに開発中。

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