デザイナーダイアリー vol.06
今年に入って早くも6月に入りました。早くも梅雨の時期。早くもといえばもう1つ。今年の2月に突如起こったロシアによるウクライナの軍事侵攻。この出来事が始まってから早くも4ヶ月が経とうとしています。当時はオリンピックで賑わっていました。そんな中こんな事が突如起きるとは、世界中で驚きと緊張が走りましたね。一向に終わりが見えず今も侵攻は続いています。この最悪な事態を止めようと国際的に動いてます。先月までにおよそ700社程の多国籍企業がロシアから撤退もしています。撤退している企業の中で、先日話題となった企業があったのはご存知でしようか。それは知らない人はいないと言う程、私たちの生活に馴染みのあるハンバーガーチェーン店マクドナルドです。ロシアによるウクライナ軍事侵攻を受けて5月にロシア市場から撤退を発表。ロシアにマクドナルド1号店が出店したのは1990年のこと。当時冷戦の緊張緩和を象徴する出来事でした。世界的企業がロシアで30年以上続けてきた市場から撤退判断したという事実、今回の紛争の事の重大さを感じます。
それに対抗しロシア企業は事業を買収。新しく展開することを決意。その店舗の名称は、「フクースナ・イ・トーチカ(おいしい。それだけ)」。この名で先日営業を再開しました。この名がメディアに発表されたのは開店と同日6月12日。その前日に先に発表されたのがロゴでした。 ロシアでの商標は維持するため、ロシア企業は黄色い「M」を使うことができず、新しいロゴ発表に至ったようです。お店のそのロゴは緑色の背景に赤色の丸1つと2本のオレンジ色の線のデザイン。それらはハンバーガーとフライドポテト2本を表現しており、顧客が長年慣れ親しんできた商品やサービスの品質を象徴する「緑」を背景に採用したと説明していた。
マクドナルドのロゴと言えば、赤の背景に黄色の「M」を思い浮かびますよね。知ってましたか?黄色の大きく書かれた「M」の文字。あれば「McDonald’s」の頭文字の「M」ではないのです。知ったとき衝撃的でした。ロゴが出来る以前、お店を目立たせるためのサインとして「McDonald’s」と書かれた看板の上に黄色い橋をイメージする「ゴールデンアーチ」を設置。黄色は視認性が高く、工事現場など危険を伴う場に使われるように注目を喚起させる色。その注目を集める黄色のアーチはその後、お店の両サイドに設置されました。両サイドに設置された2つのアーチを組み合わせてできた形が今のロゴへとなったのです。頭文字ではなく注目を集めるために設置したアーチ(サイン)、云わば店頭の一部がロゴになったのは興味深い成り立ちですね。色にも意味があります。赤色は刺激や食欲、空腹感を引き起こし、黄色は幸福と親愛感を生み出す色なのだとか。そして、赤&黄という組み合わせは、速さやスピード感を感じさせるのだという。マクドナルドに合った色ですね。
と、なるとロシアの新しいロゴは一見全く違うデザインな感じがします。メディアでは、マクドナルドの「M」に似ているという意見があるようです。私の第一印象は「モスバーガー」でした。モスバーガーのロゴは赤色の「M」の下に「MOS BuRGER」(uは小文字ぽく最後羽上がってるの遊び心が感じられますね)と書いてあるものでしたが、今は深緑の枠に白抜きの「M」と緑色の背景に変わってます。食に対する社会問題に対して「安心、安全、環境」の提供に努めるという企業姿勢を表したものだそうです。この「M」も「MOS BURGER」の頭文字ではなく、食パンを意味してるようです。
この緑MOSのロゴに似ていると思ったのですが、調べていく中で似ているロゴは他にもあるようです。とは言え意味もきっかけも各々だと思います。その企業の思いがぎゅっとつまったロゴ。目的や同業者だとどうしても近くなってしまうだけで全く皆違うもの。そんなロゴをデザインする時は、ものすごく悩みます。難しいです。この記事で社取りあげた3社のロゴも意味を知ると面白くないですか?身近に何気なくあるロゴ、読者の方も気になったロゴがあれば意味を調べてみてください。私もスキルを上げるためにたくさんのロゴを研究しなければ…頑張ります!